マン・オン・ザ・ムーン(監督:ミロス・フォアマン)

マン・オン・ザ・ムーン デラックス版
ジェネオン エンタテインメント (2000/10/25)
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ジム・キャリーが実在のコメディアン、アンディ・カウフマンに扮した人間ドラマ。35歳で他界した伝説のコメディアンを主人公に、その孤独で不可思議な生涯を綴る。おかしくも哀しいカウフマンを、等身大に演じたキャリーが秀逸。ミロシュ・フォアマン監督。売れないコメディアンとしてライブハウスを転々としていたカウフマンに、ある日チャンスが訪れる。やがて人気者となった彼は、その成功とは裏腹に自虐的になってゆく。

 他のジム・キャリー主演作品と比べたら、かなりシリアスな内容。

 実在のコメディアンのアンディ・カウフマンの生き様をテーマにしているわけだが、そもそも、そのアンディ・カウフマンをよく知らないと楽しめないような気がするということと、ウイットに富んだコメディシーンが多々あり、予備知識なく普通に見ては楽しめない、という印象を持った。

 ただ見ていくにつれ、アンディ・カウフマンという人物がなんとなく「よくわからない人だ」ということが分かってくる。本気でやっているのか、ギャグ狙いでやっているのか。アンディは病気で死んでしまうが、今でもアメリカでは「アンディ・カウフマンは生きている!」という説があるというのにもなんとなく納得ができる。それほど、「またジョークじゃないの?」と周りを騙し続けるアンディは、先進性とオリジナリティをもった一流のコメディアンだったに違いない。

 映画として楽しめるかどうかは別として、アンディ・カウフマンという一コメディアンを描いた作品としては、その人物描写の点においては超一流で、それを表現したジム・キャリーの凄みや演技の深さを味わえる良作といえる。