
昨日、実家の猫「ちび」が死んでしまいました。17年生きていましたので、人間の寿命にしたらだいたい84歳くらいみたい。大往生で、いつかはこうなるとは思っていましたが、やはりショックです。
思えば、猫らしくとてもニヒルなヤツでしたが、嫌なヤツではありませんでした。小さい頃は病弱で、姉がハムを食べさせて消化不良で胃を悪くして病院に行ったり、膀胱炎になっておしっこがでなくなったこともありました。両方とも通院して事なきを得たわけですが、そんなところが、なんだか人間っぽいかもしれません。
まだあいつが家に来たばかりの頃、最初は僕にはちっともなつかなかったのに、ファミコンをやりながらあぐらをかいている僕の膝に急に乗っかってきて、スヤスヤと眠り始めました。そのあまりにも可愛い寝顔を見て、これは起こしたらかわいそうだと思い、足が痺れているのにも関わらず退くことができずにいたこともありました。それから、あいつのことが大好きになったように思います。
猫だから温かいところが大好きでした。わざわざ陽のあたる場所を選んで眠っていたり、熱が発するテレビやオーディオの上で眠っていたりしました。僕がパソコンを使っている時、椅子に座っていたらその膝に乗ってきたり、ちょっと席を外したらいつのまにか椅子を占領していたり、コタツに足を突っ込めば常にいたり、なんだか今思い出してみれば眠ってばかりの彼の猫生ですが、それはそれで幸せだったのでしょうか。
闘争心が全くない猫で、セキセイインコや金魚と同居していても、襲いかかることがありませんでした。セキセイインコと同居しているときは、ちょっと興味本位で近づいたときに羽をバタバタされ、それにビビって逃げ出したりしていたのを覚えています。ゴキブリやハエのような虫でさえ、捕ることができない小心者で、やっぱり臆病なヤツでした。その割には、態度のでかいヤツでした。
革製品も大好きだったなあ。革の匂いが好きなのか、マタタビに酔う猫みたいに、僕の革の財布をベロベロと舐めてたっけ。
偶然のことなのですが、あまり頻繁には帰らない実家に、一昨日帰りました。そのときはまだヤツは普段通りに元気で、声をかけると相変わらず「なんだよ、また来たのかよ」みたいな横柄な態度をとり、撫でてやれば「もっと首の下撫でろ」といったふてぶてしい態度をとり、しまいにはコタツの中で大の字になって寝ていました。その大の字になって眠っている姿を携帯で写真に撮りましたが、それがヤツの最後の写真になってしまいました。こんなことがあると「きっとあいつが呼んでたのかな」なんて思ってしまいます。
今朝方までは元気だったそうですが、夕方、母が家に帰ってきたときには、もう自分の部屋の座布団の上で、横たわって死んでしまっていたそうです。多分心筋梗塞か何かだと思うのですが、特に苦しんだ様子はなく、目を閉じて、本当に普段通りに眠っているかのような表情でした。触ってみたら冷たく、硬くなっていて、いつものあいつの感触ではなくなっていました。自然と涙がこぼれました。
どうだったんだろう?どんな猫生だったのかな。楽しかったかな、つまらなかったかな。好きなもの、たくさん食べられたかな。たくさん日向ぼっこできたかな。たくさん撫でてもらえたかな。もっと撫でてあげれば良かったかな・・・。
あいつが生きているときに何を考えていたのかも、どんな風なことを思いながら逝ったのかも人間の僕には分かりませんが、僕からは最後にこれだけは伝えてあげたいです。
本当に、たくさんの楽しい思い出を、ありがとう。
君のことは、ずっと忘れないよ。