全力でぶつかるということ。

 スポーツ番組に”YAWARAちゃん”こと谷亮子さんが出ていた。

 谷亮子さんがYAWARAちゃんに似ているかどうかという次元の話はこの際おいて置くとして、ご存知の通りかなりの有言実行っぷりを発揮する化け物…いや、素晴らしい選手である。「田村」から「谷」になり、独身時、結婚後とそれぞれで金メダルを取っているが、次の目標は「母でも金」であることは非常に有名な話。たぶん彼女ならそれも成し遂げるのだろう。

 これまでの金メダルはもちろん簡単に取れたのではなくて、紆余曲折もあった。試合直前で大きな怪我をし、その怪我の痛みを抱えながらも戦い、そして見事に優勝を勝ち取る。普通なら怪我のせいにして泣き寝入りするところだが、そんな状態でも勝ってしまう彼女。やはり化け物…素晴らしい選手です。

 そんなYAWARAちゃんが先ほどのスポーツ番組で「毎回重要な局面の直前で怪我に遭遇しているようだけれど、怪我をしないように心がけてはいるのか?」といったニュアンスの質問を浴びせられ、こう答えていた。

 「怪我を恐れて練習していては、良い結果は出せない。全力をもって練習するのだから、時に怪我をするのは仕方のないこと。」

 つまり、怪我をして当然くらいの覚悟で、全力を持って練習し、その結果、試合で最大限の力を発揮するわけだ。頭では理解できるけれど、これを実践するのはは容易なことじゃないなと思った。特に重要な試合に際し「万全を期す」を考えれば、どうしても「絶対に怪我なんてしてはならないから、練習はほどほどにしておく」という風に繋がってくるように(個人的には)思えるが、彼女の考えではそれは逆にあり得ないことなんだろう。

 あの無敵っぷり、有言し実行できる素晴らしい実行力、総じて「強さ」がどこからくるのか。少しだけ垣間見ることが出来たような気がした。

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