僕がこの業界に入って初めての仕事場で色々と教えてくれた先輩が、巡り巡って偶然にも今は同じ職場にいる。今は職務は異なるが職責は同じということで、研修でよく同席するのだが、この人と話すと、昔のことを思い出さずにはいられない。
考えてみれば、僕のこれまでの経歴を正確に知っている人はごく少ない、もしくはいないのかもしれない。自分自身の経歴を話すのはそんなに好きなことではないし、さして誇れるようなものでもないから。流転の人である僕のことを、親友はもちろんのこと、家族さえ理解できていないんじゃないかなと。
ただ、運命とは実に不思議なものだと思う。12年前の自分に今の自分は想像もつかなかっただろう。あの頃の延長に今があって、点と点が線になっていたとしても、その線は直線ではなく、ぐにゃぐにゃで、複数の線が絡み合い、途中で切れて結びなおされているような感じだ。到底理解されないから話したくもない。なにせ説明が面倒過ぎる。
今でさえそう感じるのだから、これから先の12年がどうなるのかなんてやっぱり分からないなあと。
でも、たった一つだけ確たることとして言えることがあるとすれば、こんなことだろう。
「まあ、どれもたいした問題じゃないよ」