資金調達手法の多様化

IPO

今回取り上げてみたいテーマ
*米国ベンチャー企業/7-9月期の調達額が前年同期比68%増の約2兆3000億円に

少し調べてみました。

まずIPOを通じてキャピタルゲインを得る従来の方式は、米国株の値上がり鈍化の影響もあって低調なようです。米国市場におけるIPOの件数は前年同期比のほぼ半減。しかしVCを通じた資金調達は前述のとおり、前年同期比68%増という状態。これはどういうことなのでしょうか。

米ベンチャー、資金調達膨らむ VC経由が拡大

一方で、IPOは減速気味だ。VCが出資したベンチャー企業のIPOは7~9月期に12件、16億ドルだった。前年同期に比べて額は23%増えたが、件数はほぼ半減した。米国株式市場はなお高値圏にはあるものの、米利上げ観測などで上昇の勢いが鈍るとの見方も多い。実際、企業が新規公開した後の株価も昨年までのように急上昇する例は減り、IPOの妙味が薄れつつある。

つまりVCが投資したベンチャー企業があえてIPOすることを目指さなくなった、とも言えなくは無い状態のようです。それがなぜかという点では、ベンチャー企業としてはVCから多額の資金を調達できる土台があるため、上場してまで新たな資金を調達する必要がなくなったから。一方VCの立場からすれば、前述のとおり株高で上場してもキャピタルゲインを大きく得られる可能性が低いため、ということの模様です。

また、以下の記事も参考になりました。

シリコンバレーの今 米有力投資家に聞く 
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO93576120T01C15A1FFB000/

 ――上場前の評価額が10億ドル(約1200億円)を超えるベンチャー企業、いわゆる「ユニコーン(一角獣)」が急増。ITバブルの再来と指摘する声があります。

「バブルというと、売り上げがなくても上場でき、株価が上がった1999年や2000年を思い浮かべる人は多いが、金融市場の貪欲さ以外に説明のつかない当時のクレージーな状況には至っていない。過大に評価されているユニコーンもあるが、すばらしい会社も多い。『泡っぽい(frothy)』が『バブル』ではない」

――状況が変わるとすれば、何がきっかけになると思いますか。

「資金調達がうまくいかない企業が一定数以上、出てきたときが潮目だろう。資本市場には既に兆候がある。今年1~9月に米国で株式公開したテクノロジー企業は12社と昨年(50社)に比べ大きく減った。エンジェル(個人投資家)による投資もかなり減っている」

シリコンバレーにおいては、非上場のまま大きくなったベンチャー企業のことをユニコーン企業と呼んでいるのですね。また上記の投資家いわく、バブルに似ている状況ではあるが、バブルではないとの見解。

クラウドファンディングのような新たな資金調達の手法があたりまえのように活用されてきたことも影響しているのでしょうかね。資金調達の手法が多様化してきたことは、将来起業を志す方々にとっては大変望ましい状況だと思います。

ところで日本でも非上場であっても大企業、という企業は多数存在しますが、ITや先進的なテクノロジーをもとにVCから多額の資金調達を行っている「ユニコーン企業」は見かけたことが無いですね。もし思い当たる企業がありましたら、ぜひ教えてください!

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