北九州出張のついでに長崎県の端島に行ってきましたよ。
端島は軍艦島の名で有名。かつて海底炭鉱のために拡張されつづけた島の姿が、遠目から見てまるで軍艦(戦艦土佐)のようだったからた通称軍艦島と呼ばれている。 日本初の鉄筋コンクリート造の集合住宅が大正期に建てられたのもここ。炭鉱のために開発されたといっても過言ではない炭鉱の島で、炭鉱業全盛期には五千名を超す島民がいて、その人口密度は東京の数倍に達するほどだった島。
エネルギーが石炭から生産性の高い石油に変わるにつれ炭鉱は閉山となり(鉱山の閉山にしては珍しく黒字のまま閉山したそうです)、閉山後は住民は総員島外へ転居。無人島となり数十年経ったいまとなっては自然と廃墟化し、かつて賑やかだったであろう面影は殆ど見られません。
この島は近代史を語るうえでは重要な産業遺産とも言える島で、有志「軍艦島を世界遺産にする会」が世界遺産への登録を目指しています。既に世界遺産暫定リストにも登録されているので近い将来には世界遺産入りするかもしれない。
船で向かい、島が近づくにつれて「なんなんだあの島は・・」と圧倒された。やはり軍艦島=廃墟の島だった。でも、廃墟の島として知られて有名だけれど、行ってみて感じたことは単にそれだけに留まらない。これを言葉に表すのはどうも難しい。小中学校があり、プールがあり、スナックがあり、商店もあり、パチンコもあるし映画館まであった。島民の生活は豊かであり昭和の三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)の普及率はほぼ100%に近いものであったそうだ。人口密度から言ってもどこよりも賑やかであったであろう島。顔見知りだらけの、古き良き昭和の匂いを感じさせる島だったんだと思う。
でも、新たにとって変わる技術や資源が生まれれば、それまで必要とされていた既存のものは捨てられるという事実がこの島そのものがまさに体現している。働いていた人たちが捨てらてしまったわけではなくて、島そのものが捨てられてしまったんだな、と。私はそう感じた。
万物流転、諸行無常、色即是空。ここは日本の未来の縮図かもしれない。
