亀の歩みは兎より速いことを知れ

昔はブラック企業などと揶揄されていた大塚商会だが、モノ売り、コピー機やさんからIT分野のソリューションプロバイダとなり、今もその営業力を維持したままホワイト企業になっているっぽい。ここまであくまで伝聞である。

そんな大塚商会にはそのブラック度の高さ営業力の高さの秘訣となっているに違いない社訓があるが、それがこちらである。

1 人生は勝者に楽しく敗者には悲惨な道だ。
2 君も私も、お互いを信頼し、またその信頼に背かないことを誓おう。
3 言い訳をするな。創意工夫しよう。
4 努力、執念、根性。
5 亀の歩みは、兎より速いことを知れ。

今現在も実施しているかどうか知らないが、社員はこれを朝礼で唱和するらしく、特に「努力、執念、根性」の言い回しは早口で言われることになり、結果として「ドシュコ」に短縮されるということまでは、過去に大塚商会出身者から聞いた。

ドシュコの効果がいかほどのものかについては、スポ根漫画に任せるとして、この5つの社訓は企業成長において、極めて本質をついているなと。

特に注視すべきは5番目の項目の「亀の歩みは、兎より速いことを知れ」である。

これは言わずもがな、イソップ童話に出てくる「うさぎとかめ」のことであるが、これはビジネス基盤の構築、信頼関係の構築の本質だと思う。ビジネス面における成果は着実なる積み重ねの結果であるし、人と人、企業と企業との信頼関係というものも、一足飛びに構築はできない。成果を出す人物そのものをとってみても、日々の修練が結果に結びついていることは確実で、前に進まず、勉強もしない人にとっては、結果として人生は悲惨な道になるかも知れない。

このあたりを考えると、例えばVCの資本を入れたスタートアップ企業のように、急成長が無理やりにも求められる会社は歩いている場合でなかったりもするので、少しは不幸といえる点もあるかも知れない。

ただスタートアップも着実なる歩みを進める中小企業も、結局はどちらが良いというわけでもなく、成長のスタンスの違いでしかないんだけど、あまり深く物事を考えないような表面系な人たちには、あくまで兎のようなスピード感とかのほうが、キラキラしてみえるのかもしれないんですよ。なんかそのあたりがムカつくなと個人的には思うんですよね、大人気ないので。

最終的な覇者は徳川家康なんですけどもね。

カンブリア宮殿で銚子電鉄の回を見た

Choshi

見たんだが、厳しいすね経営。

本業である鉄道業は全売上の2割程度、残りは以前2ちゃん界隈で話題になった「ぬれ煎餅」等の食品販売。

本業であるはずの鉄道業はといえば、地元民の乗客数だけでは赤字でしかないため、ホームその他の命名権を販売したり、企画乗車券を販売したり、イベント列車をやったりと試行錯誤している。

売れるものはなんでも売る精神。カンブリア宮殿ではこの点と、経営危機に陥っていても焦らない経営者を若干称えて美談化していたが、経営だけを見るとやっぱり美談ではないのでは。

改めて彼らの鉄道業を本業ってことにしますけども、本業どれだけやったって赤字なんですよ。とはいえ本業を捨てるわけにも、切り離すわけにもいかない。鉄道業という自社の存在意義そのものが、結果として経営を苦しめている。

普通なら本業をシフトするだけで済むことかもしれないのに、それができないんだな。なんていうか住宅ローンを返すために働き続けて家庭を顧ず、最終的に離婚に至る旦那さんみたいな、そんな悪い例えしか浮かんでこない。

本業のために副業で経営基盤を安定化させるっていう、いまのスタイルに行き着くのも仕方ないのかもしれない。出口はないが、そうしていれば迷わなくても済む。

そしてそんな会社は意外に多いようにも思う。

個人事務所を持ってみた

唐突ながら個人事業主としての事務所を持ってみた。「所有しない時代」であるこのご時世において、あえて事務所を借りた理由は、いくつかある。

まず複数社の顧問業という安定した事業収入があること。すべての顧問業がストップして無収入になっても、事業の蓄えのみで2年間は事務所の維持費を支払うことができる。また、生活費は他で稼げているので、そもそも事業そのものが趣味の範囲になっている。つまり趣味の空間の確保である。男のロマンということにしておく。

次に、SOHOが苦手であること。居住と業務を物理的に分離していても、空間は同じであると精神的にダレるのだ。当然に生産性は落ちる。これは過去3年の裁量労働やリモートワークの経験に基づくものだが、上手くやれる人もいるだろうし、人それぞれな領域にも思える。私は上手くやれないし、また、ひどいときは映画とか観てしまうし、普通に寝る。

そして、仕事柄、誰かとコワーキングする予定がなく、というかコワーキングが難しいため、コワーキングスペースでは意味がないことも理由である。そもそも人見知りの激しい日本人にコワーキングって向いてるんだろうか?との偏見もあるが、この領域の深掘りは、たくさんのリア充様を敵に回してしまう気もするので、やめる。

レンタルオフィスという選択肢もあったが、安価な部屋は窓なしの働き蜂の団地みたいな感じでもあるし、レンタルオフィスは坪単価で考えればコストパフォーマンスが最悪である。ていうか、すこぶる狭い。タコ部屋とまでは言わないが、好きで使っている人はいないんじゃなかろうか。

バーチャルオフィスは論外。あれは詐欺師しか、借りる意味を見いだせない気がする。基本的に体裁を取り繕うためだけのものでしかない。

ということで貸事務所なのだが、個人的に一番大きい理由は、子供の送り迎えの拠点として最適な場がちょうど空いていたということなのだ。送りも楽、急病時などのお迎えも楽。どの駅からも遠いがオサレストリートの片割れにあり、小洒落たカフェが点在しているので、ちょっとした打ち合わせには事務所もカフェも使える。実際にはこれが理由の9割である。

なお、本日が開所記念日だが、机は間に合わず、オフィスチェアだけがある。

椅子だけで仕事をするのは辛いということは別にしても、このオフィスチェア、アイリスプラザの1.6万の安物のわりには自宅で使っている10万のエルゴヒューマンに匹敵する座り心地で、大変素晴らしい。但し諸々の素材は安っぽいので、耐久面においての不安はあるが…

本を流し読みするためのたった一つの(冴えない)手法

やっほー、くだらないことを日々淡々と書き綴ることをテーマに掲げていたブログなのに忘れがちでこんにちは。

今日は明日までにやらなければならないことがあるのだけれど、まだなにも着手していないんだなこれが。

具体的には二日間の外部研修があるので、それに関連して事前に本を読んでおかなければならない。そんなに量が多くはない本だけれど、「戦略」系の本なので少しだけ頭を使う。変な表現だがそんな感じだ。

速読すりゃいいんじゃないか、なんて考えている。が、速読なんて体系的には習ったことがない。ただし俺流速読みたいなものはあって、タラタラ繰り返しを伸ばし伸ばしに書かれているような自己啓発本にはこの方法を使う。

  • 目次で流れをつかむ
  • 絵、太字などのポイントのみ抑えて細かい部分は読まない(捨てる)
  • 自分の概ねの理解と矛盾がないかを再確認する

こんなところ。つまり流れ全体とアウトラインしか見ていないので、本質だろうと思われる部分は想像で埋めて振り返っているに過ぎない。

これがすんなりと通じる本は自分の中では体得できている内容だったりするので、正直あまり身にならない本。すんなりとは進まずに、つまずいたところがあれば、そこは未知の領域なのでより深く掘り下げて学んだほうがいい部分。

ということで改めて自分自身の方法論を振り返ってみた。面倒だけど読んでおかなければ。

大人版キッザニア略してアダルトリア構想

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ボケーとしながら、こんなことを考えていた。

キッザニアとやらにはまだ行ったことがないが、あれは面白そうに見える。

なぜって、小さな頃から仕事を体験させるということは、子供が漠然と将来像を描くことにつながるかもしれないからね。最も子供がそこまで現実的な姿を描ければなんだけど。でも現実的すぎる子供はなんだか可愛くないとも思ってしまう。大人ならではの発想かもしれない。

大人向けの職業体験ってやつがあったらどうだろうか。インターンシップのような真面目なもの?でもなく、もう少しライトな体験。お金を払ってまでいろんな仕事を一日体験したいって人は多いと思うんだ。パイロットや電車の運転手、警察などの公務員、コンピュータ関係のお仕事、農家、漁師、役者等々…体験してみて初めてわかることは多いわけで。特にサービスを受ける側は、一度サービスを与える側の仕事を体験してみれば、もっと優しくなれるんじゃないだろうか。

もっとも逆に厳しくなっちゃうかもしれないけどね。

レビュー:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

ドラッカーのマネジメントを読むにあたっての入門本になるに違いない本。

野球部と甲子園という、どちらかといえば日本人にとって身近なテーマを通してマネジメントの重要性やポイントを押さえている。その着眼点が素晴らしい。

それに何気に感動モノだったりする。最初そこ単々とした描写が続くものの、後半は熱い。読み物としてもなかなか面白く、分かりやすいです。オススメ。

ネット未来地図(著者:佐々木俊尚) 論点1:amazon

 佐々木俊尚さんの「ネット未来地図」という本を読んでいるので(まだ読了せず)、自分への覚え書きを含めて書いてみる。

 2007年10月頃のネットビジネス(て書くと怪しいけれどネットワークじゃなくてネット=インターネットなのでお間違えなきよう)についての最前線情報まとめ本、といった位置づけの本という認識で、ほぼ間違えないかと思う。

論点1:amazon

 amazonのショッピングモール化について。すでに単一のショッピングサイト(直販)としてamazonのビジネスは確立されていることは周知のことであるけれど、そんなamazonは今、ショッピングモール型ビジネスを展開し始めている。そのamazonの強みは協調フィルタリング技術をベースにしたレコメンデーション機能、顧客レビューなどの技術などにより、顧客と商品の関係を非常に高度に融合、データベース化していること。顧客と商品との関係をデータベース化することにより、顧客ニーズを最適化した商品を次々と画面に表示し、レコメンデーションしていくことで、あれよあれよといううちにいろんなものを買ってしまい勝ちになってしまうという、まあ世にも恐ろしい販売技術。

 このデータベース化について課題といえば、「過去の購買履歴しか反映していないこと」。たとえば、誰かのプレゼントのために男性が女性化粧品を購入したとする。そうすると、次からは女性化粧品についてもレコメンデーションされてしまうというもの。これを回避するような、より高度なフィルタリング技術が今後のamazonには必要なんじゃなかろうか、というのが著者の意見。

 この論点でのポイントは「顧客と商品の関係のデータベース化」。

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595)
佐々木俊尚
文藝春秋 (2007/10/19)
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MSが米Yahoo!に対して総額446億ドルで買収提案

マイクロソフト、米ヤフーに総額446億ドルの買収提案:ニュース – CNET Japan

 2年ほど前からMSがY!を買収したがっている、っていう話は持ち上がっていた。でも実現に至らなかった。その間にも怪物Googleは成長し続け、Googleパックに代表するその破壊戦略でネット上の全てを飲み込んでいく勢いさえある(日本だとまだ全然だけど)。

 今回はどうなるんだろう。Y!の成長性からは買収額は妥当ともいえないけれど、ファウンダーたちにはYesと言わせられる可能性がある額なんじゃなかろうか。

Microsoft Proposes Acquisition of Yahoo! for $31 per Share: Transaction valued at approximately $44.6 billion in cash and stock; provides 62 percent premium to current trading price for Yahoo! shareholders; combined entity to create a more competitive company, providing superior value to shareholders, better choice and innovation for customers and partners

NOVAが会社更正法を申請、負債は439億、30万人に影響

 あれだけCMをバンバン打っていて、いたるところに教室を出していたNOVA。影響もとんでもなく大きいよね。

 NOVAによると会社更生法を申請した理由は、こんな感じ。

弊社は,昭和56年の創業以来,皆様のご厚情を賜りながら,英会話教室の運営等の事業を継続してまいりました。お陰様で売上も順調に伸ばすことができ,平成8年11月にはジャスダックに株式を上場いたしました。

ところが,急激な事業拡大による採算性の低下に加え,平成19年6月に経済産業省から6ヶ月間の業務停止命令,教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練としての指定の取消処分を受けたこと等により,業績が急激に悪化することとなりました。

そこで,このまま現状を放置すれば,更に関係各位に対し,多大なご迷惑をお掛けすることになりかねないと判断し,弊社事業の混乱の回避と抜本的再建のため,誠に断腸の思いではありますが,弊社の従前の代表者である猿橋望を解任するとともに,会社更生手続の開始を申し立てた次第です。

 採算がとれないような急激な事業拡大ってのはもとより、業務停止命令を受けた原因はすべてNOVA側のずさんな運営にあるんでしょう。事業拡大が先か、運営面・内務面の充実が先かってのはビジネスとしては難しいところなのだろうけれど、堅実に、しっかりと双方を拡充していければ、こんなことにはならなかったんだろうに。

 驕りがあったのか、利益ばかりを追い求めてしまったからなのか。そして、果たして、こんなボロボロな状態のNOVAを救えるような支援企業は現れるんだろうか。

 それにしても、

不安、混乱は広がっている。子供向けの「NOVAKIDS」に娘(4)を通わせていた堺市の主婦は「レッスン料を1年分先払いした。返してもらえるのか。社長が出てこないのはひきょう」。娘に、「NOVAうさぎちゃんがお金を持って逃げちゃった」と説明すると、寂しそうだったという。

 堺市在住のおかあさん、NOVAうさぎちゃんがお金を持って逃げちゃった、てな表現はあまりにもシュールすぎると思うよ。

GoogleがJaikuを買収したらしい

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Jaiku is joining Google!

 ということでGoogleがマイクロブログサービスのJaikuを買収したらしい。これ系のサービスって私はTwitter以外にはtumblrくらいしか知らなくて、Jaikuのことももちろん知らなかったんだけれど、インターフェースはJaikuのほうがTwitterより単純にかっこいいね。確か最近Twitterもインターフェースまわりを更新したばかりだったと思うけれど。

 日本で流行っても良さそうなのに、ウェブサービス好きな方々がTwitterやらなんやら海外のサービスを使ってるだけってのが現状だね(自分含む)。あとはちらほらとあるだけで、まだ爆発していない。そのうち一気にくるのかな。