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若きカリスマ・ロックアーティスト、ブレイク(マイケル・ピット)はリハビリ施設を抜け出し、薄汚れた格好で森の中をさまよっていた。やがて、森の中にひっそりと佇む一軒家にたどり着き、最期の時間を過ごす。
NIRVANA、そしてKurt Cobainを心から愛する一ファンとしては見たほうがいいのか、見ないほうがいいのか、なんだか悩んだ挙句、結局見てみることにした。
ガス・ヴァン・サント監督がKurt Cobainの死にインスパイアされ製作した本作は、いわゆる伝記の類ではなく、ストーリーとしては事実と似て非なるものとなっている。マイケル・ピット演じるブレイクはまさしく見た目と仕草こそKurt風だが、雰囲気や表情は全くの別人だ。他に興味深い点といえば、ソニックユースのサーストン・ムーアが音楽コンサルタントとして参加していること、キム・ゴードンが出演していることが挙げられる。
Kurtの最後の数日間を知らない人には、謎だらけの映画なのかもしれない。漂う音楽もドラッグの幻聴の類なのか、神経が研ぎ澄まされた結果なのか分からないが、ドラッグが関連しているような表現となっている。重要なファクターが音楽であるだけに、その点は十分にこだわった作りだ。
ストーリーはやはり重苦しい。ファンとしてはどうしても事実と重ね合わせてしまう部分があり、違和感を感じつつも、苦しい気持ちで最後を迎えてしまう。
とかく監督のガス・ヴァン・サントが表現したかったのは、あまりにも無関心な他人の姿だったのだろうか。ブレイクの姿を目にすることがあったとしても、誰も彼の内面に目を向けようとはしない。そして実際の、Kurtの内面や自殺に至った心境についても、実は僕らは知る由もなく、想像で埋めるほかない。
劇中に流れるVelvet Undergroundの名曲[Venus In Furs]のように、なんだかとても空虚だ。
I am tired, I am weary
I could sleep for a thousand years
A thousand dreams that would awake me
Different colors made of tears
