カート・コバーン アバウト・ア・サン(監督:AJ・シュナック)

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 原作はNIRVANAのKurt Cobainの公式biography本の「病んだ魂(著者:マイケル・アゼラッド)」。
 
 これまでNIRVANAのドキュメンタリー、Kurtのドキュメンタリー作品もいくつか出ているけれど、ほかの作品がトレイシーやジョナサン・ポーンマン、ブッチ・ヴィグ、チャド・チャンニング等のKurtの周りにいた人たちが語るという、いわゆるKurtの側面を回想的に描写するものだったのに比べ、本作ではKurtが生きてきた時代、街や家、所縁の深いあらゆる場所の風景とともに、Kurt自らの声で、自らの回想をもとに聞くことができる主体的なものに仕上がっている。

 作品としては、まるで隣でKurtが自らの人生について語ってくれているかのような、そんな幻想さえ抱かせてくれる映像とKurtの語り口が、なんだかとても切なかった。ステージ上や彼の音楽の中には見られない姿、父であり、夫であり、一人の音楽好きな青年であり、かつてはハッピーな少年だった Kurtの姿がそこにはあった。

 確かにKurtは(火星人だったかもしれないけれど)この地球に存在し、かつては生きていたんだ。それを十分に実感できて、一緒に旅ができた気分になれた。リアルなKurtを描写するドキュメンタリーとしては十分に秀逸な作品だろう。

Peace, Love, Empathy….