ジブリ作品「コクリコ坂から」を観た。これは「古きよき時代」と淡い青春を描写した、心温まる映画・・・って一言で済ませたらそれで終わりな気もする作品だったのだけれど、そもそも「古きよき時代」って何を指すのかなあ、と。
昭和30年代前半、これから高度成長に繋がっていく日本では、古いモノを新しいモノに作り上げようとする活動が頻繁に行われていた。主人公たちの通う学校の部室棟「カルチェラタン」もまさに古いモノに分類され、取り壊し計画が持ち上がる。
学生の歴史と想いが詰まったカルチェラタン、そう簡単に壊させてなるものか。
そんな想いから、学生たちによる取り壊し反対運動は熱を帯びてくるわけだけれど、ここがこの映画のテーマの「上を向いて歩こう」に繋がってくる。古きモノを捨て去ることだけが、ポジティブに前進していくこととは限らないんだ。古きモノをそのままに、いやそのままの原型を残したまま想いを加えて再構築することで、新しいモノを凌ぐことさえできるんだ、ということ。そんなポジティブな解決方法もあるんだ、ということ。大げさに言えば、これはデジタル化する時代へのアンチテーゼとも捉えられるんじゃないかな。アナログで何が悪い、枯れた技術は本当に枯れているのか?と。私たちが今になって思う「古きよき時代」は、何故「古きよき時代」なのかを考えてみましょう、ということですね。上を向いて歩くためにはどうしたらいいかな?という、映画を通じての問いかけですよ。
青春なやりとり部分は実にベタだけれど、あれでいいんじゃないかな。つけいる隙を作らない、実に純粋な女の子像を描くのが上手いよね、ジブリって。彼らは今後もゼッタイにビッチ系ビッチを描写したりしないんだろうなあ。