
私の心のベスト3に入るバグダッド・カフェ。
ニュー・シネマ・パラダイスと同じく、不朽の名作というものに分類されがちな映画のトップ10に入るじゃないかと勝手に思っている。
改めて観て、この映画の魅力ってなんだろう?とか考えるわけだけど、それは荒涼としたルート66に佇む、寂れた「バグダッド・カフェ」そのものにあり、ヤスミンをはじめ、出演者たちの笑顔にあり、その空と大地のコントラストにあるんだなと気がついた。その意味では、4Kレストアにて、その映像美はさらに増したんじゃないかな。
建物もそこに住まう人々の心も、何もかもが寂れ切った、バグダッド・カフェ。ひょんなことから、その場に現れた主人公のヤスミンが、一条の光となり、人々を、そしてカフェを照らし、活力を与えていくストーリーは、見る人誰しもの心を打つ。
脚本だけを見れば、ありきたりな話なんだと思う。でもこの映画はありきたりに思えない何かがあって、前述のコントラストがあって、観るものの心をとても優しく揺さぶる、そんな何かがある。
ヤスミンのような、こんな人が周りにいたらいいよねって思うし、自分がそうありたいとも思う。けれども、そうはなれない自分のことも、私はよく知っている。
願わくば、この映画のように色褪せず、鮮やかなコントラストが示せますように。