良い曲には”持っていかれる(飛ばされる)”

 私はどうも音楽を聴きながら何かをする、ということが苦手のようだ。例えば、音楽聴きながら仕事するとか、音楽聴きながら本を読むとか、音楽聴きながら眠るとか、そういった音楽聴きながら○○が苦手。どうも集中できなくなってしまい、(例えば)本を読むのか曲を聴くのか、どっちつかずの状態になる。

 ついでにいえば、聴いている曲のリズムが一定のものだと指か足でリズムを刻んでしまう。へたすればそのリズムに対して、妙なアレンジを加えていることもある。打楽器となるのは特に指の仕事で、無意識に指でリズムをとっている自分がそこにいる。気がつけば、我ながらタカタカうるさい。なぜにマウス握りながら指だけリズム刻んでるのか、意味がない。さすがに電車に乗りながらリズムをとるなんてことはしないけれど(そういう人嫌いなので)、家で一人で聴いている時なんか、指か足が勝手に動く。たぶん人が見たら、頭にくるに違いない。

 タカタカうるさい話はさておき、昔はCDを買ったり借りたりすることすら貴重な体験だったので、買った/借りたCDについては全曲歌詞までじっくり目を通して、ついでにライナーノーツもちゃんと読んで、万全を期して聴きまくっていたように思うが、昨今は曲のインフレ状態についていくことができず、流し聴きが多い。流して聴いてはいるが、BGMとまではいかない。なんとも中途半端だが、それが現状なのだ。

 一から十まで聴きこまなくても、良い曲には出会える。ジャンル問わず、私にとっていい曲というものは、どんな状況下においても「聴き逃せない曲」。とりあえず流しているだけでも、良い曲というものは求心力のようなものが働いているようで、一気にそっち側に持っていかれる感覚がある。

 そんなときの音は不思議なもので、空間をイメージさせる。音の深みというか、単なるディレイやエコー、上乗せされるノイズで作られた世界ではない、なにか別の、得体の知れない空間が良い曲には閉じ込められていて、それが開放されるようにも感じる。気がつけば、自分はその空間の中で漂っている。どんな楽器がつかわれていて、それらの楽器はどんな音を出しているのか。どんな場所でどんな風にレコーディングされているのか。そして、どんな想いが込められているのか。聴きながら、考えながら、想像しながら空間を漂う。

 ということで、最近、個人的に大トリップな曲は、 The Velvet UndergroundVenus in Furs という有名な曲。この曲は昔も聴いていたはずだけれど、先日LAST DAYSを観たあとで改めて聴いてみて、一気に持っていかれたのだった。もし聴いたことがない方がいらっしゃれば、是非一度聴いてみることをおすすめする。velvetは他にもHeroinとか、半端ない飛ばされ方をする曲が多いので、個人的にはナチュラルトリップアーティストと呼びたいくらい。

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