仕事で国際展示場に行った。
そういえば、若かりしころ約1ヶ月強、父の電気工事の仕事の助手をしたことがあった。場所は今のお台場や青海、有明あたりのいわゆる臨海副都心で、いまでも台場地区に行くとその当時のことが頭によぎる。
臨海副都心の地下には全長16kmにも及ぶ巨大な地下道があって、その当時はその中をいろいろと動き回り、配管工事やら配線やらのお手伝いをしていた。塗装中の地区の通路は猛烈な換気の悪さでシンナーくさかった。高所作業はちゃんと命綱を使わないといけない。腰道具はひたすら重いんだけれどしばらくするとその重さに慣れる。電気が消えるとなにも見えない漆黒の闇が襲う。穴を開ける工具としえばヒルティ製でやっぱり通称もヒルティ。配管するときは墨(赤い線)を打つ。はしごは踏み外すと結構危険。電気は発電機から。ヘルメットは必ずかぶること。ヘルメットをかぶっても、慣れないうちは自分の頭+ヘルメットの高さまで認識できないからむしろガンガン頭を打ちまくる。とかく体力勝負だけれどやっぱり仕事は段取りが大事。
毎日汗をかきながら働いて、給料が出たときは本当に嬉しかったことを覚えている。ちなみに僕はそのお金で新しいギターを買った。それが今も使い続けている愛用ギター、フェンダー・ジャガーなのです。
今思ってみれば、父の仕事を手伝うということや、一般人が踏み入ることのできない地下道の中をうろつけたことは実に貴重な体験だったと思う。あの時、あんなふうな体験をさせてもらえなかったら、きっと今の自分はなかったんじゃないかとさえ思えるほど、貴重な体験だった。多感な時期だったよ。
その時々が追体験できる場所。生き続けていく限りそんな場所はどんどん増えていくもの。普段はまったく頭に浮かんでこなかったりする映像が、その場所や匂い、音なんかを聞いて呼び起こされるから、人間の記憶って本当に不思議。
台場、青海、有明・・・。あの当時あれほどになにもなかった場所が、今では立派に栄えている。時がたつのは早いものです。
関連