チェ/39歳 別れの手紙(監督:スティーブン・ソダーバーグ)

 2部作(に分割された映画)の後編で、キューバ革命を成し遂げたゲバラが南米ボリビアに散るまでを映画にしたもの。前編が勝ち進み革命を成し遂げるストーリーだったのに対して、後編は負け続け、そして命を落とすストーリー・・・いや、ストーリーというよりは事実だが、内容は両極になっている。

 この作品、前編・後編と続けて観ればわかるけれど、ゲバラの姿勢は最初から最後までまったくブレることがない。そう、悲しいくらいにブレない男。それが誰しもをひきつけるゲバラの魅力でもある。戦術的なミスを繰り返し、もはやこれまでと分かりつつもブレないで最後まで戦い続けようとする男の姿って、ある意味僕ら日本人がよく目にするサムライにとても似ているな、と。主義主張は異なれど、人間としての一貫した姿勢。私欲を持たず、無私の心で自らの信念を貫き通す姿勢。彼の魅力はこれに尽きる。

 映画としては非常に淡々としているかもしれない。でも、なぜ社会主義者の彼がその主義主張を超えて、また時代を超えて愛される人間なのかを知るには十分過ぎる作品だった。お奨めです。