単身赴任の男が一人。任期3年、勤務地は月。月にいる人間は彼だけ。話し相手は人工知能を持ったコンピュータ1台。
任期終了間際に起こる奇妙な出来事(自分にとてもよく似た男を、誰もいないはずの月面上で回収・・)を中心に、話はスローに、でも終盤にかけてダイナミックに展開していく。
この広大な宇宙の闇と、一人の人間の組み合わせってのは僕はかなりマッチすると思うんだ。人間が自分自身と向き合える本当の空間があるのだとしたら、それは地球上じゃなくて宇宙なんじゃなかろうか、とさえ思う。
月、地球、宇宙船。白と黒を基調にした美しさ。そんなシンプルさが映える、想像力を膨らましてくれる秀作ですよ。
ちなみに監督のダンカン・ジョーンズはかのデヴィット・ボウイの息子らしい。映画の質からして、この人は全然親の七光りじゃない。