レビュー:永遠の門 ゴッホの見た未来(75点/100点)

日本でも人気なゴッホの半生を描いた伝記映画。

伝記といってもゴーギャンとの確執など、史実とは少し異なる点がいくつかあるようだ。ただこの映画の素晴らしい点は、おそらく監督独自の解釈を持って「ゴッホの半生」を再構成している点にある。

それは、あくまでゴッホの視点にフォーカスし、演出もゴッホの視点で描いている点である。また、展開するストーリーには、彼の内面に対する描写をふんだんに取り入れている。なにより主演のウィレム・デフォーの演技が素晴らしい。ウィレム・デフォーは、ゴッホという唯一無二のアーティストを、それこそ狂人でもレジェンドでもなく、あるいはそのどちらでもあるように、一人の人間として丁寧に演じている。

ゴッホの作品の鮮やかな黄色、そして絵の具を塗りたくったような、彫刻にも似た独特のタッチは、単に目に見える事実を描写しただけではなく、彼の内面が為せる技でもあるわけだろう。今、彼の内面をうかがい知るには、彼の絵を見るしかない。そして私達日本人には、それが簡単にできる環境が与えられているのだ。