レビュー:スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け(49点/100点)

私は、スターウォーズシリーズがごく普通に大好きな、一般人である。好きなキャラクターは、もちろん我らがボバ・フェットさん。

今回は新作のレビューだが、サブタイトルが「スカイウォーカーの夜明け」だということについて、このブログを書くまで知らずにいた。そのあたり興味がなかったのでは。

さて、今回のスターウォーズ3部作。これらは一体なんだったのだろうか。今となってはそんな気持ちでいっぱいだ。というのも、スターウォーズという、アナキン・スカイウォーカーの生から死までを描いた、(あとから)完成された エピソード1〜6。これに対して、とって付け加えられた感じさえある エピソード7〜9 。最終作であるエピソード9を観たあとで改めて思うのは、要らなかったんじゃないかと。

なにが要らなかったのか?については長くなりそうだが、まずは今回は新作レビューとして、新作の微妙な点にフォーカスしたい。ここからがネタバレなので、観ていない方はご注意を。

ラスボスを復活させるという愚行

ラスボスといえば、銀河帝国皇帝のパルパティーンことダースシディアスのことである。皆さんご存知の指先からイオナズン野郎だ。

ダースシディアスはエピソード6にあたる作品の中で、善良だった(かもしれない)アナキン・スカイウォーカーの心を取り戻したダース・ベイダーによって、放り投げられて一応は落下死したっぽい感じになったはずだった。まあ暗黒面を極めたダース・シディアスには、武空術のような空を飛ぶ能力が備わっていてもおかしくないため、「死んだはずが実は死んではいなかった」というのもわからなくもない。それに本作で復活したダース・シディアスは、自らを「死んでいる」と表現しているので、実際のところは、肉体は死んだけど魂は死なず的な、ヨーダ、クワイ=ガン・ジン、オビワン、それにアナキンなどのジェダイマスターのように霊体化したのかもしれない。

だが、果たしてスターウォーズという壮大なストーリーとして、ラスボスを復活させてしまったことは良いことだったのか、という点ではかなり疑問が残る。ラスボスを安直に復活させるという、ありきたりのことをやってのけたわけで、物語が一気に陳腐化してしまった。誰もダース・シディアスの復活なんか望んでもいないし、面白いとも思えないわけ。もし仮に誰かを復活させて、ストーリーを再構成させるなら、アナキンのクローンを作ったという体でダース・ベイダーを復活させた方が面白かったのではないだろうか。

圧倒的な兵力差に対し、膨大な民間船が立ち向かうという「不要」な描写

主砲のたった一撃で1つの惑星を破壊する能力を持つ「スター・デストロイヤー」は、スターウォーズシリーズでは、その圧倒的なパワーで我々を魅了させてくれる素晴らしい船だが、本作ではそれがなんと数百・数千も(無駄に)出現する。だがこれらのスター・デストロイヤーがなした戦果は1隻の出撃による惑星1つの破壊のみであり、その他はすべて軍事訓練の標的艦のように無残にも破壊され、沈められることになった。

気に食わないのはその沈められ方なんだが、まずあれだけの戦力を誇りながら、さして反撃もせずに一方的に「民間船」の攻撃によって沈められるのだ。民間船はレジスタンス側の抵抗の呼びかけにより集められた。そもそもその時点で、軍事訓練を怠らなかったであろうし、スター・デストロイヤーはフル装備であり、圧倒的な兵力差を誇る。普通に考えて勝てるはずがない。だが指揮艦の撃沈により指揮命令が行えなくなり、なぜか攻撃能力を失ってしまったようで、大軍は単なる標的艦となるのだった。準備に圧倒的な時間と労力をかけ、統制の取れているであろう軍隊において、このあたりのごく普通な危機管理が行えていなかったはずもなく、ストーリーとして矛盾がある。結構ありえない。

それに民間船が大挙して現れる描写。脚本として、観衆の気持ちを高めようとしている魂胆が見えてしまい、ドン引きした。なんていうか、ものすごくUSAです。

ジェダイをラブロマンスにするな

主人公(もはや名前もわすれてしまった・・)を助けるため、カイロ・レンが善良なる心を取り戻して共闘するという展開は、前作のオマージュとしても理解できるものである。それに、カイロ・レンは力を持ちながらも苦悩する姿が、まあキャラクターとしては良かった部分もあった。彼のライトセーバーを含めて、決して格好良くはないんだが、ハン・ソロとレイア姫の子息でもあるし、印象に残るキャラクターではある。

だが許せなかったのは、終盤になってこいつらに唐突にキスシーンをさせたこと。この二人、そんな素振りあったか?あー、なんだかものすごくUSAです本当。

総括

あとから取って付けたような作品は、全てにおいて中途半端。SFだからといって現実味を失わせて良いわけではなく、かなりディティールにもこだわっていたはずのスターウォーズはどこにいったんだろう?という印象。ストーリーは実に陳腐なものであり、これは完全にディズニーの買収による悪影響だろう。

作品作りに対して、J・J・エイブラムスはそれなりに頑張ったのかもしれないが、ジョージ・ルーカスが監督総指揮を努めていた頃の作品群と比べること自体が、かわいそうなのかもしれない。それほどにスターウォーズはジョージ・ルーカスのものだったのだ。彼が退いたという時点で、もうスターウォーズはもう終わっていたのだろう。