あたりまえの日常のこと

イェーイ! Hagexさん見てるー? (見てない

ちょうど一年前の今夜のこと。

私の友人が、滞在先の福岡にて刺殺されて亡くなった。殺人事件だった。犯人はその後自首し、逮捕された。ネット上の禍根が殺人にまで発展してしまったケースであったこともあり、その事件はメディアで大きく報道された。

そして、友人こと岡本さんがネット界隈では著名であったことや、知人が多かったことから、あのとき、この事件については様々な議論があった。

それらについて私は言及しないし、何が正しいとも、何が間違っているとも言わない。また、今になって「もしあのとき」みたいな話をしたって何が生まれるわけでもないので、そのような不毛なことは書くつもりはない。

ただし、私にとっては、死というものを深く考えさせられた出来事だったし、なにより突然に一人の友人を失ったことが悲しく、辛かった。その気持ちをどこかに吐露したいとはずっと思っていた。でもあの騒動のさなかに便乗するようなことはしたくなかった。

とはいえ、やはり岡本さんが岡本さんであるためには、ネット上にこの気持ちを公開して、少なからずとも彼との思い出がネットの海に漂って生きるような、それが良いというか、少しは岡本さんを偲ぶことになるのではと思い、今更になってこのことを書くことにした。

そんなこんななので、たぶん内容は支離滅裂になると思う。

岡本さんが亡くなった前々日のこと。いきなり彼から城の写真が送られてきた。

そして

「城を見に来ました」

とのメッセージ。

私が行ったことがある城ではなく、違う角度からの写真を送ってもらったが、それでも分からなかった。それは唐津城で、あーいま休みで九州に行ってるのね、と。本人は「石垣がきれいです」とコメントをくれたので、せっかくなので石垣に登って係員の人に怒られてみてください、と冗談でお願いしてみたら「もう、この年で怒られるのは辛いです」とコメントを返してくれた。そりゃそうだよね。

事件のことを知ったのは、岡本さんがなくなった翌日、25日の朝のことだった。

その頃には被害者の居住地と名前まで報道されていて、九州にいたことを知っていた私は、ニュースの被害者が岡本さん本人であるということがはっきりと情報として繋がってしまい、わかってしまった。信じたくないニュースで、嘘だと疑いたかったけれど、自分の持ち得るファクトが、事実であることを殆ど証明してしまった。悲しかった。

その後はずっと気分が落ち込んでいて、夏の晴天やうねるような暑さが、また辛さを増す結果になった。

それなぜかといえば、日常があまりにも日常過ぎたから。

夏は日差しが強く、あたりまえに暑い。汗をかいたあとでのビールが美味いとか、このクソ暑い中で歩きたくないとか、もっとクーラーきかせたいとか、ごく当たり前の気持ち、ごく当たり前の日常が、死んでしまった岡本さんにはもう二度と訪れないんだな、と。それが本当に悲しかった。

亡くなった翌月である7月の2周目に、私は岡本さんと飲みに行く約束をしていたのだが、それもとうとう果たすことができなかった。今になっても、それは心残りの一つになっている。

この約束を果たすことは二度とできないと思うと、やはりそれだけで辛いんだけど、私には少しだけその辛さを和らげるアイテムがある。それは、岡本さんの遺品であり、偲ぶ会で配られたものを貰ってきたショットグラスだ。

エリア51をモチーフにしたそのショットグラスは、サブカル男子としての岡本さんに実にお似合いな品で、エイリアンが描かれたギターピックとともに貰ってきたものである。なんなんだこれ。エリア51行ったの?行って買ったの?もしそうなら、その話すごく聞きたいんだけど。。

岡本さんの命日である今夜、今日も明日も日常が続くかもしれない私に唯一出来ることは、サブカル男子に思いを馳せながら、このショットグラスでがぶ飲みし、酔いを持って、自分が生きていることを実感することなんだと思う。だってそれしかできないし。

岡本さん、また飲みましょう。