たまには邦画でも観ようと思い、香取慎吾主演の「凪待ち」をTOHOシネマズ六本木ヒルズで観た。
六本木ヒルズのTOHOシネマズにはプレミアムボックスシートなるやや広めのゆったり系シートがあり、リラックスして映画を観るのには適しているのだ。シード代は映画チケット代にプラスして1000円ほどかかるが、狭っ苦しいシートで尻と腰を痛めながら観るよりはよほど良いかもしれない。
さて、凪待ちである。タイトルの通り海は一つのテーマであり、宮城県石巻市や女川が舞台のようだ。
競輪と酒に溺れるギャンブル脳の主人公は、内縁の妻の家庭の事情もあり、川崎から石巻に移住する。ギャンブル線こと京急を擁する川崎とは異なり、石巻には場外販売所がないため、ギャンブル好きクソ野郎としては再出発の場となるはずだったが、そこにはギャンブルの呑み屋があった。そして、とある重大な事件が起こることで、さらにその「ろくでなし」感を増してしまう結果に…
この映画は、サスペンスでもなければ群像劇でもない。なんであるとも言い難い映画なのだが、自制心のない、ろくでなしギャンブルクソ野郎が巻き込まれる悲劇は、自らが招いたものでもあると言えるが、避けられなかった運命だとも言えるものだった。
そう、避けられなかった運命だ。酒癖の悪いギャンブルクソ野郎であることは、あくまで副次的なものに過ぎない。
主人公を襲う悲劇、抗えず、そして避けられなかったかもしれない運命は、なにもかもを攫ってしまった東日本大震災による津波被害との共通項である。
平穏の象徴である「凪」を待つのは、本来、主人公が心から強く望むものでもあるし、それは私達すべてが本質的に望むものではないだろうか。
故に、私が思うにこの映画の伝えたかったことは、タイトルそのものなのだろう。荒ぶる海であった主人公の生活にも、凪が訪れる兆しが訪れた。
みなさんに平穏な生活が訪れますように。