言わずと知れた新海誠の最新作。新海誠作品、初見では空の色彩の美しさに目を奪われたものだが、何度か観ていると、残念なことにその美しさに慣れてしまうんだな。ただその次のステージでは、見た目の美しさの先にある表現力に目を奪われる。それは雨そのものの表現や音など、演出方面のこと。
空をあのように描くことができる人は、世界にどれだけいるんだろうか。
新海誠作品では、自分の知っている場所やモノ、キャラクターがどこにどれだけ出てくるのか、それを探すといった、定番の楽しみ方があるが、かつて代々木界隈で仕事をしていた身としては、あの「傷だらけの天使」の舞台であった代々木会館や、JR東京総合病院には結構な思い入れがあって、それだけで十分に楽しめた。なおドコモタワーには何も思い入れはない。
そして今回のテーマは「天気」であり「雨」。
もともとこの監督は天候を描くことに非常に長けているとの印象だが、その中でも日本人にとって鬱陶しくもあり、恵みでもある「雨」をテーマにするといった発想や着眼そのものを見れば、この映画はヒットしないはずがないなと。
しかも今年は、本編に合わせたかのように(いや逆かな?)長雨だった。誰もが雨上がりを待ち望んでいたところの公開。梅雨〜梅雨明けを意識していたに違いないとしても、よくハマったものだなと。
ストーリーは意外性こそないものの、結末まで終始ビューティフル。おすすめします。
