レビュー:ミッドナイト・スカイ (52点)

Netflixオリジナル映画。

例えば「宇宙空間でレーザービームの音や爆発音が鳴るのはおかしいんじゃないか?」とか「そもそも宇宙空間で機体が爆発するのもおかしいんじゃないか?」みたいな、SF映画にリアリティを求めてはいけないのは、SFファンの暗黙のタブーでもあると思っている。SF映画とは、別に未来を現実化したものではなく、あくまで「ファンタジー」であることを、我々、SFファンは忘れてはならないのだ。

なのでこの映画で、ジョージ・クルーニー演じる“病に侵されている高名な学者のおじいちゃん“が、北極の極寒の海を数秒間ほど軽装で泳いだり、宇宙船の修復のために、宇宙遊泳中のクルーが、飛来物の貫通により背中に重傷を負ったのに、宇宙服から酸素が抜けたり凍結したりせずに、宇宙船に戻ってから無重力の中で出血した血が玉になってフヨフヨと浮かんだり、放射能汚染か何かでペンギンのような生物が死滅するような環境において、マスクなしで遠くまで飛び出していっても、それは決して笑ってはいけないんだろうけども、、。ね、その変さあ、もう少しさーーーー普通に考えてもおかしくね?ってのはさーーーー表現としては配慮してほしかったなと思うわけですよ。

でも木製の衛星が地球人が住める環境だった、ってのは、この際突っ込むところではないので良いかと思います。誰から目線なのかは別として。

ツッコミ抜きで普通に見れば、やや近未来で、少ないキャストで、そして宇宙の静けさを感じさせながらも、緩やかに滅びゆく人類を描くってのはもう定番中の定番でもあり、別に面白くもなんともないんだけれど、あれでしょ、私も初め、宇宙という逃げ場のない空間において、限られた人数で、静かに緩やかに、そして急激に、発生するインシデントに対処する。こういうSF映画が好き、って人はなかなか多いんじゃないかと思うんです。その点ではこの映画は満点です。

ただ最後まで見てみれば、あー、実になんとも感じさせない映画だよねという。そしてジョージ・クルーニーがおじいちゃん。ありそうで何もない伏線。意味がありそうで、結局なんでもない伏線ぽいシーン。総合的に鑑みると、、、観ても観なくても良い映画なんだけど、静かなる宇宙を描くSFのファンは、観ておいてもいいんじゃないかしら。