マグロが食べたくなったので三崎に行ってきた

 夏休み第二段の最終日ということで、どこか行かないとなぁ、と漂泊の想いに駆られた。

 マグロが食べたいという欲求と、海が見たいという欲求と、赤い電車に乗りたいという欲求が心の内側奥深くから、とめどなく湧き上がる。

 その願いが全て叶う場所が地球、いや、この日本には存在する。そう、赤い電車の終点「三崎口」。三崎口にいけさえすれば、神龍・・・いや、三つの願いを叶えてくれるポルンガさえ必要ない。まさに聖地、三崎口。

 品川から京急の快特三崎口行きに乗車。だいたい1時間程度を要する。

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 実はものすごい勘違いをしていて、三崎口に行けばすぐ海だと思ってたんだけれど、ぜんぜん海の近くじゃないのだ。三浦半島の左右でみたら真ん中らへん。土地勘がないってのは恐ろしいことだと思いつつ、勉強になったからOK。


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 陸地なので、駅の周りにマグロ定食のお店なんてのもなく、お土産屋さんが一軒、コンビニみたいのが一軒、あとはバスのターミナル。なんにもない駅だけれど、三崎口駅のロゴはカッコいい。

 ロゴはさておき、マグロを食べるには移動しなきゃならない。三崎港に違いないことは分かっていたんだけれど、油壺行きのバスがちょうど来ていたので、どうせなら行ってみようかな、なんていう軽い気持ちで乗車。

 油壺は近かった。三崎口駅からバスで15分程度。降りた瞬間に、ヤバイところに来てしまったな、という印象。バスターミナルも寂れ具合がもの凄いし、とにかく何もない。ちなみに油壺って京急久里浜線の終点予定駅だったらしい。寂れてるから電車が延びなかったのか、電車が延びなかったから寂れたのか、いったいどっちなんだろう。

Hotel Aburatsubo

 廃墟と化している油壺観光ホテル。ググってみるとまだホテルの情報が出てくるので、閉鎖したのはそんなに昔のことじゃないんだろうけれど、ここまで廃墟化しているのは何故だろう。元々廃墟状態で営業してたのかな・・・。

 そういえば子供の頃、父の会社の社員旅行に一緒についていって、泊まった「八丈島国際ホテル(とかそんな名前)」も営業しながらに完璧に廃墟だった。プールに葉っぱがたくさん浮いてたり、変な色してたり、白米が一切出ずにずっと粟みたいなものや明日葉関連食品だったり(これはこれで健康的)、働いている人の雰囲気も不思議で。あのホテルはもう廃墟になってるに違いない。

 油壺からは城ヶ島行きの観光船が出ているのだけれど、時間帯があわなかった。海が見たかったのでそちら方面へ下る。途中、こんなものを発見。

東京大学地震研究所油壺地殻変動観測所

 東京大学地震研究所の油壺地殻変動観測所。まったく人がいる気配はないから誰かが常駐してるんじゃないんだろうね。ちょっと調べたら”臨海実験所構内の地下壕(元の特殊潜行挺の発進地)を利用して地殻変動連続観測の研究が開始された”のだそうだ。対岸の房総半島の鋸山にある鋸山地殻変動観測所と相互に変動の比較を行って地殻を調べるんだって。これはイメージがわきやすくて納得。

Aburatsubo

 これが油壺湾。かながわ景勝50選の一つらしい。油壺の名前の由来はかなり恐ろしいもので、

1516年新井城に籠もった三浦一族は北条早雲の大軍を相手に3年間にわたって奮戦するも、三浦道寸義同を始め将兵は討死に、残る者は油壺湾へ投身し、湾一面が血汐で染まりまるで油を流したような状態になったので後世「油壺」と言われるようになったとされる。

 のだそう。先の東大地震研究所油壺地殻変動観測所がある一帯に新井城(三崎城)があったらしい。・・・リアル血の池地獄だった油壺湾。こんな海では絶対泳げない。怖い。

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 観光船はここから出ている。浜の名前は忘れたけれど、海の家が数軒出ていて、うち一軒だけ開いていた。シーズンになったら海水浴に来る人もいるのかな。砂浜ではなく砂利型の浜だから歩きにくそうだけれど、静かな入り江といった雰囲気で、磯もあり、海も綺麗だった。

Aburatsubo marine park

 京急に乗ったことのある方なら一度くらいは広告を目にしたことがあるに違いない油壺マリンパーク。平日なのに駐車場がなかなか埋まっていて、家族連れもちらほらといた。今回は入らず。

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 その後、マグロのメッカとも言える”三崎漁港”へ。マグロの陸揚量は全国4位。小さい漁港ながら頑張ってる。

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 海南神社。

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 ここにあるご神木の威厳たるや凄まじい。なんでも頼朝公手植えなんだとか。

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 漁港で何かを釣っている人々。小さな「何か」が釣れてたよ。

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 三崎の産直センター「うらり」。

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 本日最大の目的であるマグロはこちらの「魚音」さんでいただいた。

Maguro-ju

 マグロ重。お値段は1575円。写真だと分かりにくいかもしれないけれど、食べ応えは十分。口の中でとろけゆくマグロくんたち。本当に美味しくて来た甲斐があった。

 赤い電車の快特”三崎口”行きに仕事で乗車したりすると、ふと「あーこのまま仕事も何もかも忘れて三崎口行っちゃえばいいんじゃないの?」と思う方はきっといるはず。そんなときはためらわずに是非、行っちゃってください。

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